金沢中心地の観光名所とは違って、大野は静かでのどか。
明治や大正時代の建物がたたずみ、
港近くに行けばカモメが飛び交っていたり、1本路地を入ると猫が歩いていたり。
醤油蔵を改装したおしゃれなカフェやギャリーも。
自分のペースで町を歩き楽しめる、まさに散策の町なのです。
金沢の海の玄関口として繁栄した大野で醤油作りがはじまったのは約400年前。白山水系の地下水が豊富に出たことから、前田家三代目藩主・前田利常の命を受け、大野の町人・直江屋伊兵衛が醤油醸造法を学び伝えたと言われています。以来、醤油製造は大野の産業として発展し、「日本五大名産地」の一つとして数えられた時代もありました。
大野で作られる少し甘めな「うまくち」の醤油は、加賀料理には欠かせない調味料で、今も食卓を支えています。
金沢の海の玄関口として繁栄した大野で醤油作りがはじまったのは約400年前。白山水系の地下水が豊富に出たことから、前田家三代目藩主・前田利常の命を受け、大野の町人・直江屋伊兵衛が醤油醸造法を学び伝えたと言われています。以来、醤油製造は大野の産業として発展し、「日本五大名産地」の一つとして数えられた時代もありました。
大野で作られる少し甘めな「うまくち」の醤油は、加賀料理には欠かせない調味料で、今も食卓を支えています。
廻船業や醤油製造業にまつわる町家や醤油蔵、農業や漁業のための芋蔵・網納屋が軒を連ねる大野の街並みは、金沢市の「こまちなみ保存区域」および「文化的景観区域」に指定され、2017年には文化庁より日本遺産にも認定されています。藩政期の面影を今に伝える港町の街並みは、ノスタルジーにあふれ、ぶらぶらと歩いているだけで、どこか懐かしい気持ちに誘ってくれます。
大野では町家や醤油蔵、芋蔵をリノベーションしたカフェやギャラリーが次々と誕生しています。
歴史的な街並みを守りながら、そこに新しい息吹を与える取り組みも大野の魅力の一つです。
すぐそばに金沢港があり、醤油製造が盛んな大野では絶品グルメが味わえます。町家を利用した「宝生寿司」は金沢を代表する名店。市場直送の新鮮なネタが味わえます。
「ヤマト醤油味噌」が運営する「発酵美人食堂」では、醤油や味噌などの発酵食品を美味しく食事にとり入れたメニューを提案。美味しく、健康的なお料理が評判です。醤油蔵をリノベーションした「はなくま食堂」も要チェック。大野の素材を活かした多国籍なお料理がいただけます。
大野町を散策する際にぜひお供にして欲しいのが、大野を代表するスイーツ「しょうゆソフト」です。キャラメルのような優しい味わいが魅力で、醤油蔵をリノベーションした喫茶店&ギャラリー「もろみ蔵」や「ヤマト醤油味噌」が運営する「ひしほ蔵」で取り扱っています。
町家をリノベーションしたカフェもあり、海を眺めながらゆったりとした時間を過ごすことができます。
大野の観光スポットの1つが「からくり記念館」です。ここでは大野で活躍し「加賀の平賀源内」とも言われる大野弁吉が手掛けたからくり人形の数々を展示しています。電気もモーターもない時代にもかかわらず、精巧でユーモラスな出来栄えには、ただ驚かされるばかりです。
伝統を守りながら、新しいものを受け入れ、上手に共存しているのが大野町。醤油蔵や町家をリノベーションしてギャラリーにしたり、陶芸やガラス工芸などの作家さんがの工房を構えたりといった動きは、大野町の新しい魅力と言えるかもしれません。
工房やギャラリーでは、ワークショップも行われていて、気軽に「アートな街・大野」を楽しむことができます。